嘴キスから始まる超常体験。少年と鏡を巡る、SF風味の陰陽ファンタジー!

 小柄で目立たない高校生、大磯拓磨(おおいそたくま)には悩みがある。
 母を亡くした時から広がった父との距離、進路のこと。

 交友関係はゲームを通じてなんとか構築できているものの、孤独な環境で将来を思い悩む少年が、この物語の主人公です。彼はある日、ゴミ捨て場にいた大きいカラスに話しかけたことから、思わぬ超常体験へと巻き込まれてゆくことになります。
 全ての背後にあるのは「神粒」という存在、鍵となるのは「鏡姫」。現代の陰陽師や不思議なカラス少女、そして過去に起きた悲惨な事件との関係とは――。

 ほんのりSF的な解釈を添えて、異能とも呼べる力を扱えるようになった少年が自分の生き方を探ってゆく物語です。
 拓磨くんの心を射止めるのは、美少女か人外かそれとも男性か。繰り広げられる人間(&人外)模様も目が離せません。ぜひご一読ください。

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