あなたに見てもらいたい♡ナジミ<カノジョ

美恋

第1話   先輩と幼馴染

高校生になって2ヶ月が過ぎ、クラスメイトや部活にも慣れてきた頃のこと


「 おい!歩美あゆみ早くしろよ 」


玄関先で口を尖らせて、わたしをせかしている西野颯太にしのそうたは、わたしと歳がひとつ違いの幼なじみ。


「 だってしょうがないじゃない、体調不良の日なんだから 」


わたし、杜村もりむら歩美 15歳、東西高校の1年生、同じ学校に通う2年生の颯太が、いつものように家に迎えに来てくれたのだ。


「 だったら休んじまえよ 」


「 ひどいな、ダメ!、来週からテスト始まるし、それに… 」


「 それにって、なんだよ 」


「 べーつに!」


「 じゃあオレ、先行ってるわ… 」


先に行ってしまった颯太


「 ちょ、ちょっと待ってよ!…いいのぉ?あのこと、颯太のお母さんにバラしちゃおう!」


わたしの言葉が聞こえたのか、慌てて引き返し戻ってきた。


「 ち、ちょっと待てよ! 」


「 行ってきまーす! 」


「 じゃあ、颯太さん、はいッ、コレよろしくね 」


「 さん?… 」


体調不良の日は、リュック以外のものを全て颯太に持ってもらうのだ。


「 なんだよこのバッグ、めちゃ重いし、何入ってんだよ 」


「 気にしない気にしない、いこッ! 」


「 気にするだろフツーおい!待てよ! 」



    

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