第8話 小人族の仲間
フランはこの国の王女として13年前に生まれました。
200年ぶりの待望の女の子です。
この国でも男の子のほうがあきらかに生まれる確率が高い。
フランの国は今、全員で43人。そのうち女の子は9人です。
小人族の存続が危うくなっていました。
しかし、もう一つの国がありそこにも16人もの小人がいた。
これはうれしい兆しです。
もしかしたらほかにもまだ小人王国があるのかもしれません。
希望がもてました。
フランには幼馴染がいます。それは、ダニエルとシオンです。
年も同じでなにをするにも一緒にやってきました。
勉強も一緒に、遊びも一緒に、特に木登りはダニエルがフランに教えた最初の危険な遊び。
つばめに乗ることも早くにダニエルから教えてもらい、10歳からのるはずのつばめに5歳から乗っていた。
勉強はシオンでしょうか。5歳までには一通りのことはできました。
3人は本当に仲良く助け合いながら生活してきました。
フランにとって心許せる相手なのです。
ダニエルとシオンはフランが結婚相手を探しに人間界に行ったことを知り心配していました。
そして少し複雑な気持ちでもありました。
フランから人間界の発展のすごさや知力のすごさを聞いて驚きと怖さを感じていました。
さらに拓斗や真也、優希というお友達ができたことを聞いて少し嫉妬もしていた。
「なあシオン。フランの話をきいてどう思った?」
「どう思ったって?」
「だから人間界でお友達ができたっていってただろう。話してる時のうれしそうな照れくさそうなあんなフランの顔みたことないぞ」
「たしかに嫉妬するくらいうれしそうだったなあ」
(回想) ――――「わたしね、人間界に結婚相手を探しにいったの。でもそんなこと忘れちゃうくらいおいしいものや綺麗なもがたくさんあって、ダニエルとシオンにも見せてあげたいし食べさせてあげたいの」
フランはいった。
「じゃあ結婚相手はまだ見つからないんだな」
ダニエルがいうと、フランの頭に拓斗が浮かんだ。
――いやいやいや、拓斗はかっこいいしやさしいけどまだそんなに知らないし。
フランは自分の頭の上に浮かんだ拓斗を手で仰いで消すと、次に真也が出てきた。
――えっ、なんで?やさしい人は好きだけど、ちゃらい人は好きではない。
「もう、なんで二人が出てきたのかな……」
ダニエルとシオンは、自分たちも人間界にいきたくなりました。
今までのようにフランの近くにいて守りたいとも思いました。
フランが人間界に戻ることになりました。
その前に、ダニエルとシオンと3人でいつもの赤い木に集まりました。
この赤い木はフランが初めて登った木なのです。
それから3人は時々ここに登ってはいろんな話をしました。
久しぶりに3人は登りました。
「わたくし人間界で頑張ってくるわ。だから、あなたたちもこの国をそして国王と女王をよろしく頼むわね」
「わかった。ちゃんと守るからな」
「ありがとう!ダニエル、シオン」
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