第9話 人間界にて本格始動
フランは人間界に戻ってきました。
「ただいま戻りました」
智美はお店の方から走ってきました。
「おかえりなさい、フラン」
とてもうれしそうだ。
「お国は大丈夫でしたか?」
「はい、大丈夫です。無事に解決いたしました」
「フラン、そういえば学校の方は風邪をひいてお休みということにしてありますから心配ないですよ。でも明日は文化祭のようですからあとで拓斗がくるっていってましたよ。拓斗には一時家に戻ったと説明してあります」
「智美さん、いろいろお気遣いいただきありがとうございます」
「こんにちは。フラン戻ってますか?」
拓斗と真也がやってきた。
「はい。戻りました」
フランが玄関に出ていき自分の部屋に案内した。
「しばらく留守にしていて申し訳ありませんでした。文化祭の準備も何もお手伝いできなくて申し訳なかったですわ」
「フラン、大丈夫だよ。フランは当日メイドの格好をして注文をとる役になったから」
「よくわかりませんが、明日はがんばらせていただきます」
フランはやる気になっている。
「あとで、優希があしたの衣装をもってくるはずだから」
拓斗がいった。
「こんにちは。フランさんはいますか?」
玄関から優希の声が聞こえた。
フランは階段をおり、玄関に向かった。
「優希さん、こんにちは。しばらくでございます」
「本当だよ、フラン、ひさしぶり」
「優希さんどうぞわたくしのお部屋にお越しください。拓斗と真也さんもいらしていますので」
2人は階段をあがってフランの部屋にいった。
「衣装持ってきたわよ、フラン」
「ありがとうございます」
「でも、このサイズでフランが着れるかわからないから今から着てみてくれる?」
「わかったわ。でも、ここではちょっと……」
フランは照れながらいった。
「あたりまえよ。男子二人は廊下にでていて」
「あっ、うん」
2人は廊下にでた。
「じゃあ、これ着てみて。フラン」
「はい、こんな感じでいいのでしょうか。優希さん」
――げっ!まじ!かわいいじゃない……。
「フラン、そのネックレスは見えてしまうから明日は外して」
「えっ、わかりました」
優希は、廊下にいる二人に声をかけました。
「もう着替えたから入ってもいいよ」
部屋に入るとフランはまだメイドの服をきていた。
「どうでしょうか……」
照れくさそうにフランはいった。
拓斗も真也も顔が赤くなった。
――えっ、めっちゃ可愛い。
「か、可愛い」
2人の口から声がもれてしまった。
ドックン!!
フランはますます照れて顔が赤らんでしまった。
「ありがとう……」
優希が拓斗と真也に声をかけた。
「いつまで見てんのよ。じろじろと」
真也が、ふとネックレスにきがついた。
「フラン、そのネックレス見せてくれない?」
「えっ、あ、これは明日は、はずしますので」
「違うんだ。綺麗だなと思ってみたいだけなんだ」
「そうですか。ならどうぞ」
フランはネックレスをはずして真也に渡した。
――これは……。
「ありがとう、綺麗な色だね」
「はい、母からの頂きものでとても大事なものなのです」
優希が首をかしげた。
「真也もネックレスしてたよねえ」
真也は驚いて返事に困った。
「あっ、うん」
真也はこの場所にいづらくなった。
「さあ、そろそろ帰ろうか。明日楽しみだな」
「そうだな。帰ろう」
「じゃあフラン、またあしたな」
「はい。みなさん今日はありがとうございました」
みんなは帰っていった。
フランはみんなのやさしさに酔いしれていた。
――そういえば、このネックレスを見た時の真也さんの表情が気になるわ。
真也さんもネックレスをお持ちのようだけれど見せてはくれなかったわね。
なんだったのかしら?
真也の表情が少し気になるフランでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます