第4話 高校生活

「フラン! おはよう! おきてください! 朝ですよ!」


眠い目をこすりながらフランが目を開けると智美がいた。


「フラン、こちらに着替えてください。こちらは、学校に通う時の制服となります」


智美はフランに制服を渡した。

フランは制服を知らない。


「制服?」


「わたしがお着替えを……してあげます」


智美はフランの来ている服を脱がし、制服に着替えさせようとしている。

フランはされるがまま服を脱がされた。


「わっ!何をするんですか。やめてください」


突然ドアがあいた。


「おばさ~ん、迎えに……」


拓斗がフランと学校にいくために迎えにきたのだ。


「きゃあ!!」


フランが恥ずかしそうに服で体をかくした。

拓斗は慌ててドアをしめた。


「わ~!! ごめん!!」


「ふう……フラン、お似合いですよ」


智美は何もなかったかのように言った。


わたくしは、今日から如月高校に通います。


――――


「言ってらしゃい。拓斗、頼んだわよ」


智美は拓斗とフランを送り出した。

フランは学校は知っているので安心しきっていた。


「行ってまいります」


拓斗とフランが歩いていると、反対の通りから女の子たちがきゃあきゃあ言っています。


「あれ、拓斗くんじゃない。かっこいい」


通りすぎる女の子も騒いでいます。


「今の拓斗くんよね。目が合ったーまじ気絶する」


拓斗はこの辺ではかなりのイケメンでとおっています。


「あの隣の女だれ?」


「彼女じゃないよねー」


「やだー」


女の子たちはうわさをしています。


「おっはよ~。今日もみんな元気かな?」


遠くから男の子がてあたり次第、女の子に声をかけているのが見えました。


「きゃあ、真也くん。おはよう。」


女の子たちはうれしそうだ。


「おーい! 拓斗!」


その男の子が近づいてきた。


「誰だ? その可愛い子は?」


フランの顔を覗き込んでいった。

拓斗は隣に引っ越してきた子と説明した。


「へえ~名前は?」


フランはそのチャラさが好きではなかった。


「はい! わたくしフランと申します。あなたは?」


「『フラン?』……あ、俺? 俺は真也」


「真也~」


名前を呼びながら近づいてくる女の子。


「またナンパしてんの?」


気だるそうに真也は答えた。


「違うよ~」


女の子は嫌そうな顔でいった。


「誰この子?」


「まあいいから行こうぜ。じゃああとでな、拓斗」


真也は面倒くさそうに言い去っていった。


――キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン――


このクラスの担任の先生がフランと一緒に入ってきた。

クラスの男の子たちがざわついた。


「転校生か?」


「めっちゃ可愛いじゃん!」


「おれ、タイプ」


「今日このクラスに転校生が来た。フランくんだ。自己紹介をしなさい」


フランは緊張している。


「はい!」


 ――昨日智美さんが『お名前は桃園よ。桃園フランですよ。』といっていましたわ。


「わたくしは、桃園フランと申します。お見知りおきを。」


……。


ざわざわ。


フランの話かたにクラスのみんなはざわざわしていた。

先生は教室を見渡して、あいている席をさがした。


「じゃあ君は、拓斗の隣の席に座れ」


「えーいいなあー。拓斗ずるい」


クラスの男の子たちは拓斗のことを羨ましがっている。


「えーやだ。拓斗くんのとなりなんて羨ましい」


クラスの女の子たちはフランを羨ましがっていた。

そうとは知らず、拓斗と同じクラスで安心するフラン。

拓斗の隣に座った。


「拓斗、よろしくね」


拓斗は照れくさそうに答えた。


「お、おう!」


前の席の男の子が振り返った。


「よ!フランちゃん!」


先ほどあった男の子だと気づく。


――先ほどのチャラ男くんですね。


「真也さんでしたね。わたくしの前のお席なのですね。よろしくお願いいたします」


「はいよ!よろしく。フランちゃん」


真也は軽い感じだった。


そんなことよりフランは、人間界ではどんな授業をするのか興味深々でした。

これから高校生活が始まります。

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