概要
日本海軍のエンジンを中心とする航空機開発の失敗、やり直しの海軍史
未来の知識を有する主人公が、海軍機の開発のメッカ、空技廠でエンジンを中心として、武装や防弾にも口出しして航空機の開発をやり直す。性能の良いエンジンができれば、必然的に航空機も優れた機体となる。加えて、日本が遅れていた電子機器も知識を生かして開発を加速してゆく。それらを利用して如何に海軍は戦ってゆくのか?未来の知識を基にして、どのような戦いが可能になるのか?航空機に関連する開発を中心とした物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!正真正銘の正統派架空戦記
工学畑の大学生が昭和初期のエンジニアに憑依するというところからはじまる作品だが、読み進めるとすぐそんな設定は頭の中から消えてしまう。
待ち受けるのは恐ろしいほど緻密に語られる発動機開発の工学的裏話。話が進むにつれて未来知識の割合は増してくるが、それでも情報の密度は変わらない。適度に読み飛ばすでもしないと工学の授業を受けている気分だ。しかし、それを踏まえた先にある「激闘編」は、まさに痛快で理想的な、しかし現実的で硬派な架空戦記である。
無礼を憚らず既存作品で例えるなら、『覇者の戦塵』シリーズの技術史シミュレーション的側面を大幅に深掘りしたもの、というべきだろう。重厚な背景情報に裏打ちされた実験…続きを読む