秋葉原のモナリザ

彼女の特等席は秋葉原の駅前、電気街を訪れる誰もが目にする所。
そうビルの屋上だったのです。
なぜなら、彼女は文字通り出版社の「看板むすめ」だから。

世界の名画モナリザを勝手にライバル視する、自称国宝級芸術の看板娘リサ。
そして、仕事の合間に時折ビルの屋上を訪れる若手の雑誌記者。
二人の風変わりな交流は、さしたる変化もなくいつまでも続いていくかに思われました。

本物のモナリザが東京にやってくる、その日までは。
昭和レトロの切ない摩訶不思議恋愛譚。
生まれついての模造品は本物に勝てるのか？