チートメガネのアンドレアス　― 影から支えるカリスマ令嬢学芸員、異世界美術館の悩み多き青春 ―

何でも見通せるからこそ、そこに良識や若さとの葛藤がある。
アンドレアスが手に入れたのは、なんと百もの便利な機能を持つ、魔法の眼鏡。服を透視することも、壁の向こうを探ることも、古代文字の解読や芸術品の鑑定だって、何でもござれ。
やろうと思えば悪のカリスマも目指せるが、好きな女性から軽蔑されるのは嫌だし……どうせなら格好良く誰もが憧れる男になりたいじゃん！　
世知辛い格差社会だろうと俺はスラム街を抜け出し、大切な人と幸せになってやる！　絶対！　俺にはその力があるのだから。
チート眼鏡くん？　ちぇっ、酷いアダ名を付けるなよ。
ただの嫉妬はノーサンキューだぜ。

そんなキザのチート使いをスカウトしたのは、異世界美術館の学芸員（キュレーター）オーナーの孫娘であるビルギットは、下火になった美術館の人気を…続きを読む