戦火の合間、悲しい過去を持つ料理人と迷子の狐っこのスローライフ……?

 戦火で大切なものを失った料理人のダズリー。彼は亡き妻が遺した言葉だけを頼りに、革命軍の砦に身を寄せ、彼なりにできること——料理で彼らの活動を支えています。

 傷を抱え、どこか心を閉ざしたまま日々を送る彼は、茶色い謎の塊を発見します。突然襲いかかってきたそれは、実は青みがかった銀色の耳とふわふわしっぽ、綺麗な薄荷色の瞳をもつ狐のような娘さんで——?

 とにかく登場する料理が美味しそうなのですが、その料理に使われるのも火蜥蜴のオーブンに、冷蔵庫には雪狼など、とってもユニークでわくわくしてしまいます。

 悲しい過去のせいで、なかなか自分の望みを素直に表せない無精髭のダズさんが、ごくまっすぐな狐っこのヒナちゃんの世話を焼き、そして彼女の無垢の信頼を得ることで、今後どう変わっていくのか、とっても楽しみです。

 魔族は心の成長で外見もぐぐっと成長するとのことなので、今後は恋模様の展開も……?

 獣人、翼のある種族、そして魔族。人とは異なる様々な種族が共存し、時に戦う過酷さもある世界の中で、色々な過去を抱えながらも美味しい料理と優しさで少しずつ互いを癒していく物語。

 ちょっと疲れた日々にもとってもおすすめのお話です。

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