第12話 在り方
「それはお断りだな」
「……何故、その「銃」はこれからの冒険者の
優秀な武器として役に立つ、そしてかなりな有益になるものでもあります……お考え直しを」
くだらん、俺は殺気を全体に広がるように出す
……ほぉ……この青年、見た目は貧弱、優しい雰囲気を纏うが紛いなりにも商店で働いている身
この状態でも目線を切らさない……
俺は殺気を収め、ケインに話をしようとしたが
「う…うぅ……」
「ひぃ……………」
エマとフィスが震えていた、確かにこの密度は
年頃の女子にはキツイな
「エマ、フィス済まない、あと少し店の奥に行っておいてくれないか。」
「「わ……分かった(わ)(よ)」
行ったか、そして俺は顔を青くしているケインの
方へ向き直す
「済まない、君のことを試させてもらった」
「た、試す?」
「あぁ、なぜならコレは……」
俺はルガーを持ちながら
「こいつは人の命を人差し指一つの力で簡単に奪うことができる、つまり生殺与奪の権利を簡単に
奪うことができる。
確かにコイツはとても有能な武器でもある
しかし、大前提としてコイツを握るには覚悟がいる」
「 覚悟とは?………」
俺はルガーをケインの頭上に向け
「人をなんの感触もなく殺すことだ。
ナイフなら肉を抉り、血の生温かい感触を味わう
暴力なら骨を壊し、自分の身を破壊しかねない
ある意味の諸刃の剣、どれにも人を殺した感触が
ある。しかし銃には何もない火薬の衝撃
それを過ぎたあとには人だったものが転がる。
やがて、殺す方法はそれに依存する。
そういう意味では薬物と同じものなのさ」
「しかし!私はそれを人を殺す武器として売るつもりはない!」
「それはわかっている、しかし犯罪者共がコイツを見たらどうなる?答えは火を見るより明らかだ
犯罪にも利用される。俺はそれを恐れている
だから俺は渡さないのさ」
ケインは俺の論を聞いて少し思案をする表情をみせ俺に対して謝罪の意を向ける。
「すみません……そのような代物とはいざ知らず
勝手な思い押し付けてしまって……」
「いや、気にしていない。誰もが強大な力を目の前にするとそうなるのはよくある。だかな……」
俺はルガーをホルスターに直し
「その在り方、姿勢……悪くはないぜ、商人と言える姿勢だからな。俺の殺気を目の当たりにしても揺るがなかった。それは称賛に値する」
「え……あ、ありがとうございます!」
「ただ、行き過ぎも良くないがな」
さて、二人を呼びに行くか………ってうおぉ!
「やっぱしいたか、盗み聞きしなくてもいいものを」
「 あ、貴方があっちに行ってといったのでしょう!!」
「うぅぅ……怖いよぉ〜」
少し息を荒げたエマと彼女の腰に抱きついて震えているフィスがいた。
「聞いてるってことは、分かったか?コイツの危険性を」
「えぇ、それで頼みがあるのだけれど………」
「ん、何だ?」
少し気まずそうにエマは店の奥を指さし
「馬車の移動………」
あぁ………完全忘れてた………
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今回はここまで
失踪してませんからね、あまり気分が乗らなかったもので…………
すんません
傭兵さん~異世界へ征く!~ @mori-sho
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