語り紡ぐは悠久の、繋ぐ思いの物語

信長といえば誰でも知っている歴史上の有名な人物だ。この物語は信長と、そして帰蝶を取り巻く歴史の流れを描いている。
歴史を知らなくても楽しめる物語ではあるが、知っているとこの物語は更に楽しめてしまう。歴史上であれば早々に退場してしまう人物を鮮やかに生き生きと書いているからだ。
まさか、ここで、と歴史が繋がる瞬間は見ていて気持ちが良い。
私が好きなのは、帰蝶が啖呵を切る場面。これはもう格好良い。読んでいてよくぞ言った、と痺れてしまう。からっとした格好良さがこの物語にはある。
何も考えず、この物語を最後まで読んで欲しい。驚きながら、涙ぐみながら、彼らが歩む歴史の途をどうか最後まで見届けて欲しいと思う。
物語を見届けながら思わず、頬が緩んでしまう。それぞれの繋ぐ思いの形に胸を打たれてしまう。

死のふは一定、戦乱を駆けた彼らを生き生きと、色鮮やかに描いている物語です。

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