ヤングケアラー・ハナは、奮闘中!③~コロナ禍に、ご注意。直接触れ合いにくいケアの、難しさ。視覚障害を抱えた方のケースを、知っていこう~
第7話 音の勘違いが、危険のはじまり。ホームからの転落事故を、防ぎたい!やっぱり、ホームドアが、全国的に設置できれば良いのにね!
第7話 音の勘違いが、危険のはじまり。ホームからの転落事故を、防ぎたい!やっぱり、ホームドアが、全国的に設置できれば良いのにね!
視覚障害を抱えた方にとって、音の勘違いが、大きな危険のはじまり。
プラットホームで待つ電車の音は、こう。
「ゴトン、ゴトン…」
別のプラットホームの電車の音も、同じ。
「ゴトンゴトン…」
待つ電車が止まる音は、こう。
「プシュー、キュッ」
別のプラットホームの電車が止まる音も、同じ。
「プシュー、キュッ」
どの電車も、同じ音。
と、いうことは…。
勘違いが、起きてしまう。別の電車の音を、目当ての電車の音と勘違いしてしまうというわけ。
この問題を起こすのは、電車の作り。
「ハナさん?」
「はい」
「作りが、問題なんだ」
「…作り?」
「ハナさん?電車には、それぞれ、長さがあります」
「長さ…?」
「8両編成だとか、7両編成だとか…」
「ああ。その、長さですか」
「このとき、電車を、音で判断して間違えてしまうと、大事故につながる」
「…それって、たぶん」
「何です、ハナさん?」
「視覚障害を抱えた方が、8両編成の電車が到着したと思っていたとします」
「そう、そう」
「8両目に乗ろうと、8両目のドアの開く位置に、立っていたとします」
「そう、そう」
「ホームで待っていた人は、8両目に乗るつもりで、足を踏み入れます」
「そう、そう」
「でもそこには、ドアはありません」
「そう…」
「見えないのでわからなかったわけだけれど、その電車は、7両分の長さしかなかったから…」
「当然、前に、ドアはない」
そのまま、線路に、転落してしまう。
ここで、危険を知らせるためにあるのが、ホームドアだ。
電車とホームの間にあるホームドアが邪魔をして、視覚障害のある人が前に進めないのなら、そこには、電車のドアがないんですよという警告になる。
それは、わかっている。
それでも…。
ホームドアは、全国的に設置が進んでいるわけじゃない。
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