第12話 生きるって、終わりのない、ケアの勉強なんじゃないのかな?ヤングケアラーが、もっと動きやすい社会になれたら、良いと思う!

 「下がって!」

 この声掛けは、危険。

 なぜか、わかった?

 方向が良くわからなくなっていた人が、下がってと言われたら、余計、線路側に吸い寄せられてしまうかもしれないから。

 どこの方向から声がかけられたのかがすぐわからなければ、どの方向に下がるという意味なのか、迷う。

 なるほど、危険だなあ。

 他にも、こんな声がけが難しい。

 「どこまで、いかれますか?」

 駅構内で迷っていた人に、改札口まで案内してあげようと、声をかける。

 「どこまで、いかれますか?」

 すると、こう言われてしまうことがある。

 「○○駅まで、いきたいんです」

 思いの、行き違い。

 手助けに、なっていない。

 こうした場合、専門家によれば、「ホームまで、ご一緒しましょう」などと、できることを、はっきり伝えるべきという。

難しいね。

 「手伝いましょう!」

 「…すまんのう」

 「エレベーターまで、案内いたしますね」

 「…すまんのう」

 「エレベーター、エレベーター…、あれ、どこだ?」

 「…改札の右奥じゃ」

 「あ、本当だ」

 障害を抱えた人のほうが、駅の構内に詳しかったりする。どちらが、道案内されているんだ。

 ある、ある。

 声掛けしたほうは、落ち込むよ。

 「せっかく、声がけしてあげたのにさ」

 そこは、でも、落ち込まずに!

 別の専門家も、指摘。

 「視覚障害の人は、大らかだと、思ってください。勇気を出して声がけしてあげたのに、手助けにならなかったよと、気落ちもすることでしょう。でも、視覚障害のある人は、私たちを気にかけてくれる人がいるんだなとわかるだけで、安心できるものなのです」

 そう感じて、生きていきたいものだよ。

 障害を抱えた人も、その周りの人たちもさ。

 生きるっていうのは、ケアの勉強だよ。ヤングケアラーが、もっと動きやすい社会になれたら、良いよね!





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