第13話 ヤングケアラーは、マスクも勉強。障害を抱えた方専用のマスクが、ある。多様なケアへの理解のためにも、知っておこう。

 「手伝いましょう!」

 何度も言えてくるように、マスク社会のコロナ禍だと、どうしても、声掛けが聞き取りにくくなっちゃう。こういうときは、ホント、マスクが邪魔。ケアの親切心が傷付けられないか、心配。

 「ちぇっ、何だよ…。手伝いましょう!って、勇気を出して、声がけをしてあげたのにさ!無視かよ!」

 障害を抱えた方を憎む人が、出ないようにしたい!

 逆恨みケアの事件も、あるんだからさ。

 いがみ合いが起こらないことを、願う。

 「ハナさん?」

 「はい」

 「話を聞いてくれて、ありがとう」

 「いえ」

 「声がけって、難しいっすよね?」

 「そうですね」

 「俺が、たまにいく他の子ども食堂にも、いろいろな人が集まっています。ここにきたくて座っている人がいたかと思えば、そうでない人も」

 「はい」

 「どこかから逃げてきて、居場所がなくなって、ここにいる人もいる。弱い立場の人がいなくなる日がくれば、良いっすよね?」

 「そうかも、しれませんね」

 「でも…」

 「はい?」

 「そうしたら、ハナさんは、失業しちゃうのかな?」

 「良いんですよ。それで」

 「俺、おじさんとか、障害を抱えた人たちを、もっと、救えるように、がんばってみます」

 「…心強い、ですね」

 「ハナさん?今日は、ありがとう」

 「またのお越しを、お待ちしております」

 コロナ禍。

 たくさんの勉強を、させられる。

 弱い立場の方たちへの声がけからはじまるケアは、難しいんだよ。弱さが弱さをかばい合うケアの限界を、超えていきたい。

 ここで、コロナ禍ということでは、マスクの話。

 障害を抱えた方専用のマスクと、いうものがある。ケアへの理解のためにも、知っておいたほうが良いかも。

 聴覚に障害を抱え、耳の聞こえにくくなった方々は、相手の口の動きを見ている。

 ところが…。

 あれ?






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