第8話 「箸、付けましょうか?」 「大丈夫です」 この言い方に、慣れすぎちゃうと…?視覚障害を抱えた方には、不親切になるのかもしれない。

 やっぱり、人の声がけが大切!

 「どういう声をかければ、良いの?」

 そこで、専門家がアドバイス。

 「困っている人を見たときかける言葉は、何か、手伝いましょう。他にも、何か手伝えることはありませんか、でしょうね」

 これがまた、難しい。

 多くの人は、ついつい、こういう声掛けをしがち。

 「大丈夫ですか?」

 大丈夫ですに、慣れてしまっているから?

 コンビニの、やりとり言葉。

 「箸、付けましょうか?」

 「大丈夫です」

 この言い方に、慣れすぎちゃっているんだろう。視覚障害を抱えた方には、不親切かも。

 「大丈夫ですか?」

 「…え?それって、私の持つ杖が壊れていないか、聞いているの?」

 「あの、大丈夫ですか?」

 「え、ええ。大丈夫ですよ(私の杖は、壊れていませんよ)」

 「そうですか」

 「ああ…(荷物が、重い。誰か、助けてくれないかしら」

 「大丈夫、なんですよね?それでは、ごきげんよう」

 これじゃあ、親切な声がけにならないよ。

 「箸は、大丈夫です」

 って…。

 箸は立派な大人ですよ、元気ですよと、言っている感じ。

 もちろん、客としては、こう言いたい。

 「私には、必要ありません」

 でも、そう言ってしまうと、せっかく気遣ってくれる人を、突き放す感じに受け止められてしまう。

 だから、やんわりと断る気持ちで、こう言うわけ。

 「大丈夫です」

 このときの大丈夫ですには、こんな気持ちが込められていることになる。

 「お気遣い、ありがとう。でも、私には、必要ないんですよ」

 ただ、この言い方は、介護関係には向いているんだろうか?

 大丈夫です慣れは、怖い。

 「温めますか?」

 「大丈夫です」

 ついつい使ってしまうということは、ついつい、誰かに使わせちゃうということになるのかも。

 ヤングケアラーのような人たちも、混乱させちゃうだろう。






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