第10話 「ホーム転落をなくす会」の作ったポスターに、疑問?ケアしてあげたい人、ケアしてもらいたい人の気持ちのバランスをとるって、難しい作業。

 声掛けって、難しい。

 「手伝いましょうか」

 この言い方って、ケアに使うのは、難しいのかなあ。

 手伝いましょうかって言われると、困った気持ちになる人が増えるという。きっと、こう、悩ませてしまうらしいから。

 「…何かを手伝わせるなんて、相手に、悪いよ。困ったな。知らない人に、迷惑はかけられない」

 だから、ありがとうと言えずに悩む人も、いて。

 結局、大丈夫ですと、断ってしまうことになる。

 本当は、助けて欲しかったのに。

 「手伝いましょうか?」

 「大丈夫です」

 「え、大丈夫なんですか?じゃあ、手伝ってあげましょう」

 そう思える人は、なかなかの、ポジティブシンキング。

 でも、きっと、少数派。

 「手伝いましょうか」よりも、「手伝いましょう」「手伝います」「手伝わせてください」のほうが、積極的だし、好感をもたれそう。

 日本語は、謎だ。

 「手伝いましょうか」

 そう、聞かれたら…?

 「大丈夫です(いや、結構ですよ)」

 簡単に、断れた。

 それなのに、こう聞かれたら…?

 「手伝いましょう」

 そう言われちゃうと、断れなくなってしまうんじゃない?

 不思議だね。

 日本人なら、こう感じやすいんじゃないの?

 「誰かからの積極的な親切を断っちゃうと、人間関係や世間体に影響が出てしまいそう。簡単には、断れないよ」

 これで、ケアが、ギクシャクしちゃいそうになる。

 こういう、人間関係やら世間体を取り巻く言葉の研究をしている大学やら大学院もある。

 言語行動論、みたいな?

 興味の出た人は、GO?

 2017年、視覚障害者や支援者が集まって、こういう団体が作られた。

 「ホーム転落をなくす会」

 その会が、声がけの仕方のポスターを、作成した。

 ただし…。

 そんな、この協会のポスターだけれど、1点、疑問が残される。

 これって、どう思う?






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