第4話 「切符を持っていないと、電車には、乗れません!」 なぜ、駅構内に、こんなポスターがあると思いますか?そして、あたたかい会話って何?

 「切符は、帰宅して戻ってきたときに、買おう」

 …切符。

 「そういえば、あいつは、切符を知っているのか?」

 あいつとは、もちろん、彼女と相談していた子のこと。

 「今どきの子は、何とかカードでピッとやるのが、習慣だろう」

 何とかカードとは、ICカードのこと。

 ここで…。

 知らなかった人は知っておきたい、今どき事情。

 「切符って、何?」

 切符を知らない子が、増えた。

 悪口とかじゃあ、なくて!

 だから、駅によっては、こんなポスターが貼ってあったりする。

 「切符を持っていないと、電車には、乗れません!」

 なぜ、こんなポスターがある?

 おじさんやおばさん、それ以上の世代には、信じられない?

 「何、これ?」

 「切符がなければ、電車に乗れない?」

 「当たり前じゃないの?」

 いや、いや。

 今どきは、当たり前のことではないんです。

 本当に、切符というものを知らない子が、増えたんです!

 だから、ポスターなどで教えてあげないと、電車に乗れなくなっちゃうんです。

 「あの」

 「はい?」

 「こちらですよ」

 エレベーターまで誘導してくれる女性が、現れた。

 荷物も、持ってくれた。

 「誰かの誘導って、必要?」

 「点字ブロックが、あるでしょ?」

 言われそう。

 でも、ね…。

 おじさんは、快く応じた。

 「障害を抱えた人を、気遣ってくれるのか。こんな経験も、悪くない」

 おじさんは、うれしかったんだよ。これは、良いケースだよね。

 こんなやりとり、見たことある?

 「席を、どうぞ」

 「何だって?わしは、まだまだ、若い。席など、譲ってもらいたくない」

 高齢者に多い。

 こういうやりとりができたら、良いのにね。

 「席を、譲ってくれるのかい?でも、若い人たちに、申し訳ないよ」

 「いえ、いえ。人生の大先輩を大切にするのは、当然のことです」

 「そうかい。ありがとう」





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