ヤングケアラー・ハナは、奮闘中!③~コロナ禍に、ご注意。直接触れ合いにくいケアの、難しさ。視覚障害を抱えた方のケースを、知っていこう~
第5話 「…コロナ禍は、怖い。誰かを助けようとすればするほど、誰かが傷付きやすくなるから」 この気付きには、ハッとさせられる。
第5話 「…コロナ禍は、怖い。誰かを助けようとすればするほど、誰かが傷付きやすくなるから」 この気付きには、ハッとさせられる。
「当たり前」
その言葉の意味を、切符、ICカード、駅のポスター、視覚障害を抱えた方への声がけにはじまる気遣いから、考えられるようになりたい。
おじさんは、うれしかった。
けれど…。
何かが、晴れなかった。
コロナ禍、だから…?
コロナ禍は、つらいよ。
おじさんは、何も、言えなかった。本当なら、誘導してくれた女性に、こう言いたかったろうに。
「…腕につかまらせていただいても、よろしいでしょうか?このほうが、安全です。セクハラのつもりは、ありませんから」
それが、言えなかった。
コロナ禍、だから。
「密になっては、この女性に、迷惑をかけてしまうかもしれない」
女性とは、少し、距離をとった。
「できることは…。感謝だけだ…」
女性には、何度も、礼を言った。
「ありがとうございました」
「どういたしまして」
「本当に、ありがとうございました」
「こうやって、誰もが人を気遣える社会になれば、良いですよね」
「ええ。ありがとうございました」
「…コロナ禍って、本当に、怖いですよね。傷付いた人を助けようとすればするほど、誰かが傷付きやすくなるんですからね」
これを聞いて、ハッとさせられたことだろう。
「そうかも、しれんな…。コロナ禍で傷付いた人を助けようとすればするほど、誰かが傷付きやすくなることがあるんだ」
新しい、恐れ。
「では、お気を付けて」
たとえ、手を引いてくれなくても、声をかけ、こちらですよと言ってくれる人がいてほしい。視覚障害を抱えた方は、どれほど、助けられることか。
誰かを気遣う気持ちを持つことが、大切なんだよ!
「…でもね、ハナさん?」
「はい」
「でも、やっぱり、運の良いケースだ」
そう。
現実は、幸運なことばかりとは、限らないっていうこと。
助け合いからの気付きケースは、理想的すぎ?
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