ヤングケアラー・ハナは、奮闘中!③~コロナ禍に、ご注意。直接触れ合いにくいケアの、難しさ。視覚障害を抱えた方のケースを、知っていこう~
第6話 プラットホームの点字ブロックに、注意。止まってくださいを示す物と、進んでくださいを示す物が近くにある。その優しさが、危険なんです。
第6話 プラットホームの点字ブロックに、注意。止まってくださいを示す物と、進んでくださいを示す物が近くにある。その優しさが、危険なんです。
視覚障害を抱えた方に限らず、声がけケアは、大切。
それなのに…!
コロナ禍が、声がけをさせにくくしている。
「すみません。私、目が見えないんです。どうか、腕につかまらせてください」
誰かに声をかけても、無視されやすい。
「俺に、声をかけないでくれよ」
「私だって、いや」
「接触感染を、防ぎたいからな」
「知らない人の腕を取るなんて、無理」
コロナ禍は、人を守らせるようでいて、人を傷付ける。
「おかしいっすよね、ハナさん?」
「私も、そう思います」
声がけが大切であることは、間違いないのだけれども…。いわゆる、3密を回避しようや、ソーシャルディスタンスを確保しようという運動により、かえって、声をかけることに、ためらいが生まれている。
マスクをつけていると、声が、良く、聞きとれないし。
彼のおじさんは、無事に、帰宅。
点字資料を持って、再出発だ。
ここまでは、良かった。
問題は、最寄り駅のホームで、電車を待っているとき。
コロナ禍じゃなくても、プラットホームにある点字ブロックが、いじわる。優しいようで、優しくなかったから。
電車の迫るラインに近く設置される点字ブロックは、本来、こんな意味。
「この先は、電車がくるので、危ない」
「ここで、止まって」
ここまでは、良い。
問題は、止まってくださいのブロックだけではなく、進んでくださいを示すブロックも近くにあるということ。
ごちゃごちゃとしていた優しさが、危険に変わる。
混乱の素。
「何を信じれば、良いの?」
プラットホームには、他にも、危険がある。
柱。
自販機。
人、人、人。
これらにぶつかってしまうだけでも、方向感覚を失いやすい。
「ハナさん?」
「はい」
「電車音にも、問題があるらしいっす」
「電車音?」
問題は、尽きない。
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