ヤングケアラー・ハナは、奮闘中!③~コロナ禍に、ご注意。直接触れ合いにくいケアの、難しさ。視覚障害を抱えた方のケースを、知っていこう~
第2話 ヤングケアラーの子も、失敗をしたことがあります。だから、その反省から、弱い人の相談に乗ってあげようとするんじゃないのかな?
第2話 ヤングケアラーの子も、失敗をしたことがあります。だから、その反省から、弱い人の相談に乗ってあげようとするんじゃないのかな?
コロナ禍だからこそ、視覚障害をかかえた方の事故が多くなる。
「ハナさん?」
「はい」
彼は、小学生だという。今どきの小学生は、しっかりしていそう。
「町では、白杖を使って歩いている人がいます」
「はい」
「ハナさんは、実際に、その姿を見たことがありますか?」
「はい」
自信をもって、はいと、応えていた。
ずいぶん前、ある失敗をしていて、忘れられなかったし。
彼女が、小学生のころ。
「あれ?」
目の前に、白い杖をつくおじいさんが、歩いてきた。当時、彼女は、白杖の意味を知らなかった。
「あ、白い杖だ。珍しいかも」
何も、できなかった。
点字ブロックを杖でついて音を確認し、その音を頼りに進むおじいさんに道を空けなかったことを、今でも、悔やむ。大切な点字ブロックを、踏みつけてもいた。
「…ハナさん?」
「はい」
「俺のおじさんと、同じような事故にあった人が、けっこう、いたんですよね」
「…同じような事故?」
「ハナさんは、視覚障害の事故について、知りませんか?ニュースとかでも、取り上げられていたんですけど」
もしかして。
「それって、駅のホームでの事故では、ありませんか?」
「ハナさん?」
「はい」
「その通りです」
視覚障害を抱えた方が、駅のホームから転落するという事故が、相次いでいた。
「その事故ってさ…ハナさん?」
「はい」
「コロナ禍に、大きな原因があるらしい」
「…え?」
「コロナ禍ならではの、事故」
「そうなんですか?」
視覚障害を抱えた方に起きた、駅のホーム事故というのは、次のようなもの。
「ゴトン、ゴトン…」
電車が、近付いてきた。
プラットホームには、何人もの人が並んでいた。
「白線の内側まで、お下がりください」
アナウンスが、入って…。
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