読書中にも、背後から視線を感じるようなゾクゾクとした怖さ!

尾八原ジュージ先生のホラー作品は、書籍化された『みんなこわい話が大すき』もお読みしましたが、そこに登場する「よみご」という霊能力者が今作にも登場します。

しかし、霊能力者が絶対の力で、悪を罰するように幽霊退治をする、というものでもありません。

やはり、人間の常識を超えた人智不可の超自然的な力には勝てないのです。

事故物件に潜む“ナニカ”に引き寄せられて、だんだんと正気を失っていく人たち。

その様子が、ささやかな日常の中で、不意に見せられる狂気として描かれていて、じつに怖かったです。

今まで、マトモと思っていた人が、ある日突然、手のひらを返したように敵になってしまう……

超常的な現象だけでなく、生きている人間が一番ヤヴァい…… そしてやっぱり事故物件もヤヴァい!

そんな剥き出しの怖さと緊張感を保ちつつ、最後まで一気に拝読できました。

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