概要
英雄ではない、特別な才能もない、等身大の男の出世譚
村の力自慢だったガストンは立身出世を夢見て戦に出る。だが、そこにあったのは過酷な戦場、自慢の腕力など通用しない現実だった。
さらに戦場から帰っても村に居場所もなく、流れのままに武家奉公へ……
選ばれた英雄ではない、特別な才能もない、等身大の男の出世譚が幕を開ける。
さらに戦場から帰っても村に居場所もなく、流れのままに武家奉公へ……
選ばれた英雄ではない、特別な才能もない、等身大の男の出世譚が幕を開ける。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!人生山あり谷あり。戦乱の世を生き抜く男の一代記。成り上がれ、ガストン!
——戦(いくさ)は当初、戦乱と呼ぶほど大きなものではなかった。領境(あるいは国境)周辺をめぐる、よくある小競り合いだった。——
主人公ガストンの物語は負け戦から始まる。
ガストンは十七歳の樵(きこり)だ。村一番の力持ちで、信仰深く純朴。ただ、「気は優しくて力持ち」というような好漢ではない。直らない拗ね癖がある。(純朴さも人生ではしばしば枷となる)
そうこうして彼は否応なく兵士となる。最初はただ生きるために、家族のために ‟働き” 、やがて立場を得て、立場によって成長していく(その性根こそ変わらず、それゆえに苦労や損をしながら)。
実に人間臭い。そんな彼を読者はいつの間にか応援する…続きを読む