日輪は巡り、月影は詠う

高天ヶ原が地上に落ち、神が人と共に生きる世界。

大神アマテラスは、自らの依代たる《巫子》の候補者として、四人の衛士を選定した。


葦月篝（あしづき　かがり）。近衛一成（このえ　いっせい）。土御門國光（つちみかど　くにみつ）。百目鬼虎丸（どうめき　とらまる）。

一人は贖罪を願った。一人は力を望んだ。一人は温もりを欲した。一人は、ただ愛する者を想った。


巫子となれば、彼らの願いは叶うだろう。
ただし、至天の御座に昇れるのは、最も強きただ一人。

大神への献身を重ね、その身を火で焼きながら、それでも彼らは日輪に手を伸ばす。

――すべては、己が宿命を遂げるために。