概要
これは神の使いである狛犬の妖怪と、特別な異能を持った人間との恋物語。
「賽銭泥棒。ここは神聖な場所だよ」
賽銭箱を覗いていた顔をあげると、目に映り込んできたのは車椅子に座った少女だった――
時代は妖怪と異能を持つ人間との現し世。大なり小なり様々な異能を持つ人間と手を取り合って暮らす、その賽銭泥棒の男、闘王もまたその内の一人だった。
「うっせー。博打でスッちまって、金がねーんだよ。こんぐらい見逃せ」
「だめ。神様の私があんたに天罰を与える」
「は? 神様?」
「黒神ノラ。苗字に『神』が入ってるでしょ。だから神様」
烏の濡れ羽色の髪。ガラス玉のような若葉色の双眸。そして、負けん気の強いその表情は、目を奪われてしまうほどに美しかった。
だが、目の肥えた百戦錬磨の闘王は、そんな少女のことなどお構いなしにまた視線を賽銭箱に落とすのだ。すると。
「っなに
賽銭箱を覗いていた顔をあげると、目に映り込んできたのは車椅子に座った少女だった――
時代は妖怪と異能を持つ人間との現し世。大なり小なり様々な異能を持つ人間と手を取り合って暮らす、その賽銭泥棒の男、闘王もまたその内の一人だった。
「うっせー。博打でスッちまって、金がねーんだよ。こんぐらい見逃せ」
「だめ。神様の私があんたに天罰を与える」
「は? 神様?」
「黒神ノラ。苗字に『神』が入ってるでしょ。だから神様」
烏の濡れ羽色の髪。ガラス玉のような若葉色の双眸。そして、負けん気の強いその表情は、目を奪われてしまうほどに美しかった。
だが、目の肥えた百戦錬磨の闘王は、そんな少女のことなどお構いなしにまた視線を賽銭箱に落とすのだ。すると。
「っなに
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