第九章 石碑とマキナの崩壊

飛行機に乗ってブラジルに到着した。しかし、ブラジルといっても広いのでどこを探していいかわからない。現地では英語が通じたので聞いて回ることにした。

「日本人の少女を見ませんでしたか?」

「つい先日、あそこの宿に泊まっていったね。その子じゃないかもしれないけど。」

「ありがとうございます。」

そうして、聞いていった先に動きが止まった地点があった。

「その子はあの遺跡に行ったまま戻ってこなかったよ。」

「じゃあ、行ってみます。」



ブラジルの宿のおばさんが言っていた遺跡とやらに到着した。遺跡の前には門番が立っていた。

「あの、日本人の女の子来ませんでしたか?」

「ああ、来たね。何やら一生懸命書いている様子だったよ。それでね、」

「どうかしたんですか?」

「しばらくして、自殺したといううわさが来たよ。」

噂は噂だ。僕は確定していないものは信じない。噂として、心にしまうだけだ。

遺跡の中に入ると石版があり日本語で文字が書かれていた。



風の怪獣はその島では圧倒的な強さを誇りました。その風の怪獣が絶対的王者で、そして常識でした。そこに赤の怪獣がやってきました。異国からの使者ということでなじむことはなく、戦闘が始まりました。赤の怪獣は風の怪獣を圧倒するほど強く、風の怪獣の常識は打ち砕かれました。今度は赤の怪獣の常識が作られました。しかし、その期間も短く次は土の怪獣が現れます。

こうして、次々と常識は変わっていきます。しかし、受け身ではだめです。あなたが私の意思を継ぎなさい。チャンドラ。



僕は日本に帰った。

塾で塾長に日隅はどうしたのか聞かれたので、自殺したと答えた。すぐに連絡は親へと行き、日隅の親と話すことになった。

「あなたが真子を変な道に引き入れたというじゃないですか。どうしてくれるんですか。あんなに純粋だったのに。せめて、真子に謝ってください。誠心誠意!」

「おい、竜張。ここでふざけるのだけは絶対にダメだぞ。すみませんでした、ごめんなさいというんだ。」

もう何でもよかった。僕は引き継がなきゃいけない。満を持して口を開く。

「日隅、ありがとう。」




僕はこの話を伝えなくちゃいけない。少しでも多くの人に。

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ごちそうさまがありがとうになる物語 @METEO7

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