第六章 ソル教団

翌朝、早速ソル教団のニュースが流れてきた。言葉巧みに弱っている人をだまし、次々にメンバーに入れていると報道されている。

僕には果たして、いいことなのか悪いことなのかわからなかった。昔だったら、ニュースに意見を流されていたところだったが、聖水のおかげかなと思った。


教室に入ると日隅が話しかけてきた。

「私はこういうやり方じゃダメだと思う。信仰じゃないと思うんだ。それじゃ、今ある常識と構造が一緒だ。」

「じゃあ、どうするんだ?」

「チャンドラ、いってきて。私が行ったら、洗脳に近くなっちゃうから。同じ立場で話せる人がいたほうが視野が広がると思うんだ。」

「僕が行くのか。僕にできること何かあるかな。」

「話すだけでも、価値があるよ。」


僕はダイヤモンドに連絡を取り、授業終わりに会いに行った。

「ダイヤモンドさん。日隅はこんなやり方じゃダメだといっていました。僕には何がいいのかわかりません。ダイヤモンドさんはなんのためにこれをやっているんですか?」

「私はソルのお告げを守っているのです。世界を変えねばならない。そのために信者を集めているのです。」

「日隅は確かに変えたいとは言っていましたけど、こんなやり方じゃダメだって言ってましたよ。」

「しかし、私にできることはこれくらいしかないので。」

「無理に何かをしようとはしなくていいんじゃないですか?きっと、信じて応援するだけでも意味はあると思いますよ。」

「それでも、何かをしているという実感が欲しい。」

「もし、本当に神がいるのなら信者のやるべきことは信仰を広めることじゃないかもしれません。ただ、信じて待つ。それだけです。やるべきことはすべて神がやります。だから、ダイヤモンドさんはバランスを取りながら日々の生活にいそしんでください。」

「そうですね。出過ぎた真似をしました。」

僕はなんだか、普段より喋れている気がした。これも聖水のおかげなのかもしれない。

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