第四章 常識外れの排除

翌日日隅の机にはさんざんな悪口が書かれ、机の上にあったノートもびりびりに破かれていた。

日隅は特に気にしている様子もなかったが、鞄の中を見て表情を変えた。

「日隅、どうした?」

「火の鳥合戦ゲームが、壊されてる。」

「本当か、先生注意してくるね。」

「いいよ、チャンドラ。あの子たちは悪くない。人間とはこういうものだから。だけど、私は決心したよ。もう相手の火の鳥を取る決心を。変えたほうがいい。」

「どうするつもりなんだ?」

「私がこの世にまだないものを見つければ、変わるはずなんだ。」

「僕にできることはある?」

「今度の日曜日、塾の最寄り駅に来て。行くとこがあるから。」

「わかった。」


「竜張先生、日隅って子と遊びに行く約束したんですか?」

同僚の山谷が話しかけてきた。

「ああ、なんか思い悩んでる感じだったから。」

「やめたほうがいいですよ。女子中学生と遊びに行くなんて、いろいろ問題ありますよ。それに、 余計にいじめが加速するんじゃ。」

「確かに、そうですね。」

「僕はやめたほうがいいと思いますけどね。」

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