ユーラシア東西の騎馬民族が激突する。史上名高い西方大遠征の物語

礼を虐殺で応じられたモンゴルの騎馬民族の長チンギス・ハンは、遥けきシルクロードを辿り十万を超える軍勢を中央アジアに向けた。史上名高い西方大遠征を綴る物語。
本作は戦記物としての魅力だけでなく、軍人以外の庶民視点を混ぜて戦争を立体的に見せることにあると感じました。
民族の長から木っ端兵士、あるいは商人。様々な立場から、その想いを現しつつ、戦況を浮き彫りにします。
もちろん戦記物ですので、緊張感ある戦闘シーンも随所に描かれます。
駆ける軍馬、交わる干戈、飛び交う弓矢、緊迫の攻城戦、水上の装甲船。
そんな中で現れる様々な感情。
怒気、臆病、悔恨、思慕、嫉妬、栄利、悲哀、勝利、敗北、そして復讐。
様々な立場で、豊かに人間的な感情を持ち交錯するのです。
時折作者様が示す Google Map の検索ワードにより現地の様子などを伺いつつ、800年を遡る歴史と人々を俯瞰してみてはいかがでしょうか。

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