世界に鮮烈に、そして強烈に名を残す英雄。その名は――

チンギス・カン。その名は、歴史の授業では避けては通れないほど、巨大です。
世界帝国・モンゴルの帝王として知られる彼ですが、その生涯は、戦いは、人となりはどうなのか――この小説はそれについて挑んだ作品です。

しかし、ただチンギス・カンが生まれ落ちたその時から描くのではなく、彼の長子であるジョチにスポットを当て、その西への「遠征」から始めるところが秀逸だと思います。
西への「遠征」――つまりホラズムに代表されるイスラム世界、果てはヨーロッパへと波及することになる「遠征」から始めるところが。
これこそが、モンゴルが世界を、特に東西を「繋ぐ」トリガーとなったと思います。
すなわち、これこそが、チンギス・カンの名を世界に鮮烈に、強烈に残すトリガーとなった、と――。

ぜひ、ご一読を。

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