天狗は怖い? いいえ、優しい隣人です。

真っ赤な顔に高い鼻、黒い翼。誰もが知っている天狗のイメージをひっくり返す作品がここにあります。
本作には怖い天狗は登場しません。むしろそのイメージをいい意味で裏切る天狗ばかりです。無口で不器用だけど優しかったり、あんみつやミルクコーヒーが大好きな甘党だったり、そんな愛らしく茶目っ気のある天狗が多数登場します。彼らが織り成す日常風景はコミカルかつほのぼの。人間と天狗という種族の違いを感じさせない暖かな物語を展開してくれます。

舞台は明治から大正ですが、時代を感じさせる風情ある描写が満載で、古き時代にタイムスリップしたような気分にさせてくれます。シリアスな場面で描かれるしっとりとした情景描写は心に深く染み入るよう。
もう1つインパクトがあるのは中盤で登場する謎の怪人、のぞき太郎。名前を聞いただけで抱腹絶倒できるこの怪人、実は本作のキーパーソンです。このシリアスとコミカルの同居加減も本作ならではの魅力だと思います。

天狗、人、そして謎の怪人が織り成すユーモラスで暖かな物語を、ぜひ堪能してみてください

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