これは「文学」であり、「芸術」である。

この物語は天狗の妻である、人間の”きぬ”との関係を描いた作品です。

ハッキリ言います。とてつもないです。

綴られる文章はまさに「文学」と形容するに相応しい。決して平易な言葉だけで収まらないが、初めて目にする単語や漢字でも前後の文脈から何故か理解できるし、情景もあかあかと浮かびあがる。

不思議で仕方なかった。

それば時代設定(背景の設定)などが作りこまれているためか。

それとも心理描写が秀逸で胸をざわつかせる「何か」があるためか。

きっと答えは「全部」。

でも私はその「全部」をまだ知らない。

ミロのヴィーナスが永遠の美であるように。

この「文学」は、まさに「芸術」である。

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