中世の街並みに思いを馳せ、心温まる言の葉をコーヒーとともに味わって

タイトルにある「ブルージュ」とは、「北のヴェネツィア」や「水の都」などの異名を持つベルギーの古都だ。中世の面影を今もなお残すブルージュのとある土産屋で、「わたし」が絵葉書を大人買いするところからストーリーが展開される。
『Moi』——自身で書いた絵葉書が、巡り巡って思わぬところで……。


パソコンが普及した昨今だからこそ、手書きで心のこもった、そして、その人自身の言葉で綴られた手紙に対し、人は無意識に温かみを感じるのかもしれない。
たとえその字が拙くとも、そこに紡がれた言葉が短いものであっても……。

作中に紡がれる言葉のひとつひとつが、心地良く感じられる。
ブルージュの風景に思いを馳せ、コーヒーをおともに読むのもまた一興。

『今、悲しんでいる人』
『さっきまで悲しかった人』
思い悩むことがある人にこそ読んでほしい作品。
読めばきっと心が温まるに違いない。

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