自らのコンプレックスと向き合い成長する6人の男女が織りなすショータイム
- ★★★ Excellent!!!
この作品を読み始めた時の第一印象は「奇抜」の一言だった。
というのも、OPENING act を読むと分かるが、この作品が小説兼「舞台」に思えたからだ。私たち読者は、いわば「観客」ということになる。
臨場感あふれる冒頭に魅了され、読み進めていくと、登場する主な「役者」は6人の男女。
話が進むにつれて明かされていく彼らの境遇は、決して恵まれているとは言えないものだろう。そして、その境遇であるがゆえに抱えたコンプレックスは、とても根深いものだ。
時にそのコンプレックスは、同じような悩みを抱えた「観客」たちの心を揺さぶることもあるだろう。かく言う自分もそのひとりだった。克服するには、自分から踏み込んでいく勇気が必要……と、頭では分かっていても、実践するとなると簡単には出来ないものだ。
だからこそ、彼らにより共感することが出来たのかもしれない。
時間をかけながらも、彼らはそれぞれ、自らのコンプレックスに向き合い、克服しようとする。共通するのは「ひとりで」ではなく、「みんなで」向き合っていくこと。改めて人との繋がり、絆が大切だと思わされた作品だ。
次に彼らの舞台に魅了されるのは、そこにいる「あなた」かもしれない。
あなたが辛いと思った時、笑いたいと思った時……舞台の「観客」として、客席に足を運んでみてはいかがだろうか?
Clap your hands!
あなたも彼らと一緒に、 It's Show Time!