イマジネーターに抗う

重すぎず、軽すぎず、非常に美しい文章で綴られる少し不思議な物語です。

劇中で語られるある不思議な現象。
終盤で、おそらくほとんどの読者は「悟空ー!‼️! はやく来てくれーっ!!!!」とクリリンのように思うはずです。つまり盛り上がります。


本作のキーワードは「本物の言葉」だと思います。対して、「劣化コピーの言葉」という概念も出てきます。この二つの差はなんでしょうか。

「劣化コピーの言葉」の群に含まれるであろう、大勢が共有しやすい形になった言葉や、こうしておけば取り敢えずの格好が付く「ポーズ」であったり「慣習」なども、必要であるから存在していると思います。それらは世界を回す力で、大勢を運ぶ船。

しかしそういうものでは助けにならず、むしろ傷つく人達もいるということを、本作は丁寧に書いています。

たとえば有名な本の流行った一説の引用であっても、贈る人のことを想い、選んでたどり着いたのだとしたらそれは本物の言葉だと思います。最初はピンときていなかった名言的なものでも、信じて実践して実感できたなら、それはその人にとっての本物の言葉になると思います。

言葉は生き物。

さて、本作における本物の言葉とは一体どんなものであったのか。

長編クラスの読後感と共に、是非ご確認ください。

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