陰と陽と王道とが織り成す、快作小説

レビュータイトルがなんだか陰陽師とか出てくるファンタジー小説か……って感じですが、この小説は現代舞台のスポーツ青春物。

陰とは一葉くんのこと、陽とはギャルの燈香さんを短絡的に喩えたものです。

陰キャ陽キャという言葉が流行り、定着して久しいですが、この小説の主人公2人は一面的に見ればそのように分類される、真逆の性質を持っています。

しかし、物語が進むにつれ、2人はそういう表層的な部分を越えて、一対一の人間同士としての信頼を深めていく。

それを物語として描写するのに、本作がこの競技を選んだことはまさに百点満点なのではないかと思います。

そして、一番大事な点ですが……ストレートに面白い!!!