一首目が特に好きです。ここに辿り着いた創作者の方であれば、共感する人も多いかと思います。ただ、その【生きていける】というのが、【余裕で生きていける】なのか【なんとか生きていける】なのか……その塩梅は人それぞれです。他の作品も、ただ明るい作品はなく、しかしそれ故に生きていることを感じさせる歌です。作品数も厳選されていますので、是非ご一読を。
対比が光る歌が多くて唸りました。私が特に良いなと思った歌は『雨ならば何時に降るか分かるのに君の涙に予報は無くて』です。雨ならばその時間を避けるが、君の涙なら……? と問われているように思いました。愛する人の涙なら、寄り添うためにそばに行きます。
「生きては」いける。開き直りともとれる、その句に滲み出ていたのは、その先の景色が見たいという渇望のような結果が出なくても、ずっとこの先も生きて書き続けるという決意のような書かなかった空白に意味がありますね
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