サビしい物語と思いきや……

現実にはない要素でありつつも、現実を描写しているようにも見える秀逸な【酸化】という概念。ここについて詳細な説明はない。

それゆえにこの物語は、読者にとって自由に、理想的に映像化できると思う。

不穏なタイトルと軋むような設定。
しかし読み終わってみれば気分はむしろ上向いているという、不思議な物語である。
錆つきながらも美しい物語である。

はたして、人は酸化に打ち勝つことができるのか?
そうあってほしいと願いたくなる、人間讃歌。

俺たちの戦いはこれからだ……!

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