鉄とスキール音と信号機。


日常のなかにふっと出てくる錆びるという表現。
酸化というものが、当たり前にあって、感情をトリガーに症状が現れるらしい。

主人公は酸化している少女。
話すときに喉がキーってスキール音を立ててしまう。
学校をサボるためにバスジャックに遭おうとし、犯人にまるでご近所の人に話しかけるかのように語りかける。
中折のハットを被った紳士的な犯人も、どうやら酸化に関わることで悩み、事件を起こそうとしているらしい。

二人のやりとりが温かくて、思わずうるっときました。
そして、一体どんな結末を迎えるのだろうとドキドキしました。

優しくて、素敵なお話でした。ありがとうございます。


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