決意、と書くと単純ですが、心の内には重いものがあります。作中にて描写されてますが、スノーボードハーフパイプは競技そのものが狂気の沙汰。やろうと思った人間の気が知れません。その狂気の沙汰をやることに決めた人です。決意することの重さを知り抜いています。普段、スポーツ中継を見ていて、選手の心中は推し量ることしかできません。その心中を、小説という内面に迫れるフォーマットを使い、無駄のない筆致で語ります。
ラストまで目が離せない展開で、まさしくスポーツだなぁと思いました。師弟だし、でもハーフパイプだからこその上下関係のない友情だし、熱くてかっこいいお話です。