「錆びた」ことなんてないのに

水と炭素とその他もろもろの有機物でできている私の身体が、鉄でできた機械のように錆びつくことなんてあるはずがない。

なのに、どうして私はこの小説にどこか共感しているのだろう。
「錆びる」という表現の意味が感じとれるのだろう。

言葉は人間の感性を押し広げる。普通に生きていてもたどり着けない範囲まで。
多分それが小説の、表現の力だと思う。

それをこの作品から強く感じることができた。
良い体験ができた。心からそう思う。

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