「気分はどうですか勇者様」
目を醒ました先には見知らぬ騎士。
何故か見知った空間に自分は居らず、直前に何をしていたのかもハッキリしない。
可能性の一つとして誰も食べない不味くて苦いパテに華々しい転生を成し遂げたのかと思うも、自分が居た部屋とは似ても似つかぬこの場所では確かめる術も無い。
与えられた力は透明化・・・・・・などと呼ぶには差し障りしか無い半端な代物で、Lv.1の暗殺者でも無い若者には用途不明の代物だ。どうやら縋りつける神も居ないらしい。
十分に混乱させる状況の中時間は流れ、無能である事を証明した勇者は国王の名において暗殺され、ゲームは幕を・・・下ろさなかった。
同じ騎士と魔道士姿の者達に囲まれ、柔やかに騎士は声を掛ける。
「気分はどうですか勇者様」
そこには、無能の勇者を暗殺せしめた騎士が同じ笑みでその手を差し伸べていた。
・・・二周目開始時点で彼はまだ気付いていなかった。
現実世界の記憶、無くね俺?
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先日はどうも(o゚▽゚)
死に戻り系っすね。
all you need is killほどのハードな展開でも無くサクサク読めるのは良いと思います!