それはもはや、ひとりの回想の域を越え――それはもはや、ひとつの歴史

一壺天という言葉があります。
それは――ひとつの壺の中に、別なる世界を見出し、遊び楽しむ――そういう意味ですが、本作こそ、その言葉に値する作品だと思います。
架空の世界、架空の歴史、架空の人物……そういう「世界」の根底から作り上げ、歴史を紡ぎ、さらに「それ」を人物に語らせるという、独自の手法は、さすがと言うほかありません。
ホアラ候ノルセン・サレとは、実在の人物なりや――そういう想いが湧いてくるほどに。

さて、そのホアラ候ノルセン・サレ、いかなる人物で、どのような軌跡をたどったのか。
今こそ、この「スラザーラ内乱記注解」を紐解き、その注釈と共にそれを考え、楽しんでみてはいかがでしょうか。

ではではノシ

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