生者は迷いながら、想い出を探っていく。

『おばけ居酒屋』の常連になれば、思い出の味を作ってもらえる。
その店には、人ならざるものもやって来る。

もう食べられなくなったあの味。
その一口には、揺れ動く感情と懐かしさ、そして客のために心を尽くす店主の思いが込められている。

やがて時は流れ、人は代替わりをする。
それでも、想いは受け継がれていく。
その想い出の味がなんなのか、彼は知らない。これで正しいのかも分からない。
それでも迷いながら、考えながら、彼は手を動かしていく。

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