本作は、エッセイと言う形をとっておりますが、まるで短編小説のようでもあります。
また、知欲も満たし、エンターテインメント性もあるものです。
作者様が、熱帯魚と突如一緒に暮らすことから始まります。
驚かれたのは、奥様の作者様です。
けれども、次第に細やかに熱帯魚と関わって行きます。
私は、元々、生き物が好きです。
熱帯魚たちの生態や遺伝のくだりも面白く拝読させていただきました。
主にご夫婦の関係が著されており、お子様のことも綴られております。
私は、家族というものに関心が高いので、その点を興味深く拝読させていただきました。
このご時世のことで、色々とご苦労があると思いますが、何とかストレスから解放されつつ、あたたかい家庭へと導かれていく様子に感心いたしました。
熱帯魚の小さな生態系と我々が反映されているようにも感じられました。
作者様のセンスが光り、サブタイトルにも惹かれるものがあります。
また、このような作品も楽しみにしております。
是非、ご一読ください。
ある日突然、家族が「熱帯魚を飼いたい」と言ってきたら、どうしますか? やはりこのエッセイの作者様と同様に、チベットスナギツネみたいな表情になってしまうのではないでしょうか。
夫の熱意に押し切られる形で始まった、アクアリウム。
なかなか安定しない水質、適正飼育量の見極め、増えゆく水槽(は?)、そしてお魚やエビの相性と様々な病気。次から次へと生じる問題に四苦八苦する夫の姿を、横からぬるく眺める妻……のお話です。
眺める目線はぬるくとも、そこには旦那様やお子さんたち、また新たな家族となった水槽の住人たちへの愛情が感じられ、読んでいてフフッと笑みがこぼれます。
生き物を飼うことの難しさ、その責任についても改めて考えさせられます。
アクアリウム経験者には「あるある!」、未経験の方には新たな世界に触れる機会になることでしょう。アクアリウム自体に興味がなくても、作者様のユーモアあふれる軽快な文章に引き込まれてしまうこと、請け合いです。とっても面白いですよ。
初めは作者様の夫がアクアリウムに徐々にハマっていく様がなんとも面白いです。
しかし男なら誰だって覚えがあるはず。
オーディオ、釣り、ゴルフ、登山、アップル製品、キャンプなどなど。
もっといい道具、もっといい装備。
趣味に費やすお金は青天井、とどまるところを知らず。
もちろんアクアリウムもお金がかかります。
しかも生き物相手なので死なないように、病気にならないように、水槽は相応しい清潔さに保ち、水を変え、エサをやり……。
読みながらいつ作者様がキレるのかビクビクしていたのも事実。
しかしちょっとした心持ちで夫婦仲と家庭は平和で安泰に。
各話のタイトルにもご注目ください。
笑えるのもあればためになるのもあります。
熱帯魚含め色々と学べ、深く感じ入った物語でした。
おうち時間が増えて、自宅での過ごし方なんかに少しばかりの変化があった方も多いでしょうね。
『横からアクアリウム』で描かれたのは、凝り性の配偶者が突然に熱帯魚を買いたいと言い出して、家の中をアクアリウムが占拠していくという様子です。
もう、興味のない人間からすると、「はぁ?」でしかない。唯一の救いは熱帯魚たちが美しい姿を見せてくれることでしょうか。
作者さんのご家庭は果たして、熱帯魚という家庭においての外来種の到来後も、生態系を崩さずに共存していけるのでしょうか。是非、ご一読下さい。
なお、個人的には、凝り性の旦那さんにはもっと本格的な魚にハマって、「家の中に生け簀を作りたい」などと言い出していただけると、続編も読めそうで嬉しいです。
純粋にアクアリウムを楽しみたい旦那さんは、エッセイでネタにされてこう思っているかも知れませんが。
「私のおもいをジョークにしないで」
作者様の家にアクアリウムを設置することに!
何もかも旦那様が準備するので、作者様は横から見てるだけ。
でも、そんな客観的な視点だからこそ分かることもあって……
アクアリウム、流行っているのは知ってました。でも、どんなものなのかは全く知りませんでした。
そんな中。このエッセイを読んで、どんなものが必要で、どんな楽しみがあって、どんなトラブルが起きるのかなど、一通りの知識がついた気がします。
書きぶりにユーモアがあって、楽しい読み物として読めますが、アクアリウムを始める前の入門書としても、読んでおきたい内容だなと思いました。
まったく知識がないという人にもオススメできる一作です☆
ステイホームで始めた新しい趣味ランキングには、ガーデニングやペット飼育のように命を育てるものがランクインしました。このエッセイではアクアリウム――魚やエビ、水草などを育てるもの――が取り上げられています。
旦那さんが始めたアクアリウム。たくさんの魚が泳ぐ姿は癒されますが、水槽の管理や新しい魚をお迎えするときは大変です。主に旦那さんが。
横から見守る作者さまの語りは、ときに優しく、ときに鋭いツッコミが冴え渡ります。アクアリウムにチャレンジしたい方は、飼う前に本作を読むことをオススメします。初心者が知っておきたい情報を楽しく学べるはずです。
いやチベットスナギツネの生態は知らないのだけれど、なんとなく冷めた印象のある動物。
夫から突然に「熱帯魚を飼いたい」と言われ、件の獣の様相となった作者様であるところの『私』。
一般的に運命共同体の夫婦間に、一方の全く未知の概念を持ち込むのはハードルが高いように思う。
たとえば切り身でしか魚に触れられないような妻ならば無理だろうし、飼いたいものがチベットスナギツネだったらやはり無理だろう。
しかしきちんと譲るべきところを互いに折り合い、かくして水槽が導入される。
――が。
◯◯したい、とはそれで全て完結するという保証ではない。予定は未定で決定でない、という教訓も世にはある。
誰にだって覚えがあるはず。たとえば可愛い皿を見つけて、それに合うお菓子を作りたいとか。奮発して高級な和皿を買ったら、それ以上の料理を載せたいとか。
とはともかく。夫婦間のちょっとした丁々発止がコミカルに描かれ、楽しくさあっと読ませていただいた。
アクアリウムがどうこうもありつつ、夫と『私』の独特の距離感が面白い。
ぜひぜひ、続編を期待したいお話。
儚い命。だからこそ燃えるような滾る力強さがある。
この作品では数多の種類、総数が集まる水槽の中で、いかに生かすのが難しいのかを語っている。それも第三者視点で。
彼らは今日も必死に生き、やがて死んでいく。それでも、その経過を、生きている姿を見た人には様々な疑問を与える。
それは夫婦仲にも言えたこと。様々な価値観・考えを持っている人が同じ屋根の下で暮らす。それは水槽の中の魚と同じような環境なのかもしれない。
魚が病気になるように、人間も病気になる。そんな当たり前だけど、大切なことを教えてくれるようなエッセイで最後まで勉強にもなりましたし、楽しんで読めました。
夫がいきなりアクアリウムを始めた。妻である主人公は、それをただ横で見ている。だから、この題名だ。
主人公は、初めはアクアリウムに反対した。誰が餌を? 水質の管理は? ライトの加減は? 酸素を保つのは? 出張などで家にいないことも多い夫に、アクアリウムなんて無理だと思っていた。しかし夫は夫なりに頑張って、アクアリウムを完成させた。しかし、飼い始めてから夫は、徐々に水槽の数も飼う種類も増やし始めて……。
魚が増えるたびに、自宅で生き物を飼うという事が、深いことだと教えてもらいました。とにかく明るい家の雰囲気と、仲の良い夫婦の姿が感じられます。
とても楽しく拝読しました。
是非、御一読下さい。