無職の剣鬼

――ある日、少年は全てを失った。

家も、家族も、何もかも。
優れた才能を持ち、輝かしい将来を期待されていた。
その期待の分だけ、反動は大きかった。

少年に非があったわけではない。
ただ、あるがまま自分の生を歩もうとしていた。
だが、たった一つだけ、欠けてしまった。
その世界で生きる誰もが与えられるものが、少年には与えられなかった。
たったそれだけ、しかしそれが全てでもあった。

少年に期待していた周囲の人たちは、その存在すら認められなくなった。

そうして全てを失った少年は、絶望した。
生を諦めかけた少年は、奇跡的な出会いを果たす。

そして少年は、残酷な世界で再び立ち上がる――。