《本》は平等である

本に貴賤はない。知識は誰にでも等しく披かれるものである。

とある辺境の星にその塔はあった。
知識の塔。そこには宇宙の到るところから集められた本が所蔵されている。管理者はひとりの男と《猫》――そんな知識の塔に突如として訪問者があった。何十人もの屈強な僧。彼らはいう。この塔に収蔵されている書のひとつに、彼らの信仰に不都合もとい不愉快な記述がある。故に焚書する、と。

読みやすさと毒の権衡がなんともまあ、素晴らしい。……表現について多様な議論がされる現在。誰かにとって不快な表現を抹消する=本を焼く、ということをあらためて考えさせられました。
本を愛する御方、そして猫を愛する御方に読んでいただきたい素敵な短編です。


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