偉大な茶人の死とそれに関わった人々の物語

 鞘を取りに行った「拙者」は、その店の主人に誘われて、彼の立てた茶を飲むことに。その際に主人は、かの千利休に切腹を申し立てに行った時のことを話してくれた。
 とある日本史の分岐点を、関わってしまった人々の会話で紡ぐ、短編歴史小説。カクヨムWeb小説短編賞2021短編特別賞を採った、構成や描写に全く隙のない一本でもあります。
 強い信念を持った人同士が関わると、摩擦が起き、どちらかが破滅の運命に導かれるのも、歴史上では避けられないのかもしれません。しかし、何か揺ぎ無い心が誰かを変え、大きく歴史を動かすのも、起こりえる事なのだと思いました。

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