重厚な世界、美しい文章による、気持ちの良い成長物語
- ★★★ Excellent!!!
スノウリア王女が継母の策略に……あれ、こんなこと書かないでも、もう作者様のあらすじに「最後の最後まで」しっかりと書かれているっ!
面白いです、この物語は。
重厚感ある卓越した文章があだになり最初の最初がとっつきにくい方もいるかも知れませんが、逃げ出した王女が死霊の森にて死霊術士デュレインと出会うところまで見てください。そこからはもうスイスイです。
レビューの短い文章すら統一感を維持出来ない私の愚文駄文と違って、とにかく文章力が高くしっかりしており、だというのに会話のノリは優しく柔らかく、特に私はデュレイン坊っちゃまのあまりの不器用からくる可愛らしさに胸を撃ち抜かれちゃいました。
ほんとに抱きしめたくなるくらい可愛らしいんです。まあ、彼の周囲はアンデッドがつきっきりなので、抱きしめるだなんてとても出来そうもありませんけれど。残念。
可愛らしいだけじゃありません。
主人公格の人物たちの成長物語ですが、とくにこのデュレインくん、最初があまりに……すぎて、それはつまり伸びしろしかないということ。どんどん逞しくなっていくところに、あらためて惚れるっ!
読んで損のない素晴らしい作品です。
……って、あらやだデュレイン様のことしか語ってなかった。