簡単に言っちゃうと、戦う部隊に所属する三人の女性と一人の男性のお話です。
そして、その中の一人、キヨラの成長の物語です。
人と接することの苦手なキヨラは、新しく配属されたこのチームの中でもワンマンで暴走してしまったり、なかなか馴染めない。
どうなっちゃうんだろう。ってことなんですが、なにかの事件で一気に仲間愛に目覚めるのではなく、じわりじわりと少しずつ、振り返ってみれば高い山を登っていることに気付くのがなんとも心地よい。
他の女性クシズ、ウタカも個性的で、この二人のやりとりは楽しくここだけで一読の価値あり。黒一点のリーダーハルトシも、なんだかほんわかとしながらもチームをピシッとシメてくれます。
こんな三人がとんでもない事件に巻き込まれていくことになるのですが……
まあ、あとは読んで見てください。
よくある西洋風のファンタジーに飽きた方、おすすめですよっ!
『ハナビラ』をその身に集める男性花守、その『ハナビラ』を受けて『開花』して戦う少女たち。敵は、『世界を喰らうもの』。
色鮮やかな興味深い世界観と情景描写の美しさに目を惹かれます。
戦闘シーンも想像しやすく、そしてやはり美しい。
彼女たちの日常も丁寧に描かれており、それぞれ好みのお茶の種類など、世界観を創る小物の設定にも力を入れられています。
最初はぎこちなかった少女たちが友情を深めていき、互いに高め合っていく様も見所です。
あまり目立たない男性花守も、それぞれに『開花』させる方法が違ったり、胸に抱く思いが違ったりと面白いです。
これから育っていきそうな恋心や、切なさを感じさせる愛情などが織り込まれた、少女たちの成長の物語。
読み始めれば、個性豊かな少女たちをきっと好きになるでしょう。
彼女たちが対峙する大きな騒動の行方を、きっと見守りたくなるはずです!