魔剣に転生したおっさんと剣が使えない僕　～最弱の僕が魔法を極め魔王と呼ばれるまでの話～

　エイジア王国の北西に位置する領地を治める小貴族イースフィル家。最下級の貴族であるイースフィル家は貧しく、平民と同じような生活を送っている。その長男、アルヴィン・イースフィルは、優しい父親と嫌味な義母、生意気だが可愛い弟、そしてメイドのリリーの五人で暮らしていた。

アルヴィンの六才の誕生日、父親から贈られた剣は、なぜか転生したおっさんの憑依した魔剣であった。物知りではあるが、適当で自由奔放な魔剣の精霊はアルヴィンに憑りつき、行動を共にすることになる。

　しかし、魔剣を持つアルヴィンであるが、魔剣の持ち主とは思えないほど剣の才能がない。

剣を振れば義母に笑われ、試合をすれば二歳下の弟に負けてしまうほどだ。このままでは領地の跡継ぎは弟に決まり、アルヴィンは領地を出て行かなくてはならない。
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